●食事バランスガイド実践週間のキャンペーンに多くの予算を注ぎ込んでいるけど
今日(6/19)から平成21年度の 「
食事バランスガイド実践週間」 が始まった。
と書いても、
ほとんどの人は 「何、それ?」 という反応だろう。
だけど、毎年相当の予算をかけて、キャンペーンが実施されている。
今年のイメージキャラクターは、NHKで放映中の朝の連続テレビ小説「
つばさ」のヒロイン役でもある、女優の
多部未華子さん。
今日の新聞にも、彼女がドーンと載った広告が掲載されていた。広告主は
農林水産省。
ちなみに、イメージキャラクターとしては、2006年が長澤まさみさん、2007年が優香さん、2008年がポケモンのピカチュー、という具合に有名どころを揃えている。
食事バランスガイドとは、
「食生活指針」として示された望ましい食生活を具体的な行動に結びつけるものとして、
1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安をわかりやすくイラストで示したもので、
厚生労働省と農林水産省によって平成17年6月に決定されたというものだ。
詳細は、「
食事バランスガイド」のWebページをどうぞ。
また、今年の食事バランスガイド実践週間のキャンペーンについては、農林水産省の「
食事バランスガイド」のWebページで詳細を。
これだけ農林水産省がやっているにもかかわらず、それもだれもが毎日、口にする食事という生活に密接に結びついたものにもかかわらず、
食事バランスガイドが普及しているとは思えない。
キャンペーン中の1週間ほどの期間だけ、各地でイベントが開かれたりするけど、あとはほどんど聞くことも、お目にかかることもない。
もちろん、
年間を通じて取り組んでいる所もあるのだろうけど、ごく一部だけだろうし、また、そういう取り組みを後押しする仕組みもないのだろう、と思う。
(もし、そういうのがあれば、教えてください。)
●食事バランスガイドが普及しない理由の一つは
私がこのブログで公開している「
毎日の食事記録」は、自社で独自開発した

というサービスを、私自身が利用したもの。
自動的にカロリーや食事バランスを計算してくれる。
「
食べたらネット」を開発した当時の2年前、農林水産省や厚生労働省を、当社のスタッフが訪問した。
が、残念ながら、
歓迎よりも、むしろ「冷たい」と感じた反応だった。
「
いい加減なものを出されては困ります。」
と。
そのため、食事バランスガイドで使われる「SV値」という単位が、
ガイドラインに厳密に従って計算されるようにプログラミングした。
また、食事バランスガイドの
コマの形や色についても、
ガイドラインに厳密に従うようにし、こちらは厚生労働省にチェックもしてもらった。
「
勝手にいい加減な食事バランスガイドを作られては困る」 という言い分は、よく理解できる。
いい加減なものが
出回れば、食事バランスガイド自体の信頼が損なわれるだろうから。
でも、
そこまで厳密さを要求されたら、例えば、スーパーなんかで食事バランスガイドを描いてみようとしても、
簡単にはできない。
食事バランスガイドは
手軽にできそうであって、手軽にできない のだ。
だから、いい加減なものが出回る以前に、
出回らない 。
私は、自分たちの経験として、このあたりにも普及しない原因があると思っている。
●食事の多様さも食事バランスガイドの普及を妨げる
もう一つ、大きな要因は、
食事はとても多様である、ということ。
それを示す良い例がある。
先ほど紹介した「
食事バランスガイド」のWebページを見てほしい。
(このページのアドレスがポスターや広告で宣伝されている。)このページに行くと、食事のバランスをチェックできるようになっているので、ぜひ、やってほしい。
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さて、やってみた感想は?
多くの人は
困るはず。なぜなら、
食事の種類が少なすぎる から。
「
選びたい料理がないときは、似た料理や同じ食材を使った料理を組み合わせて選びましょう」
と書かれているけれど、それでも
困る! 悩む!結局、相当いい加減にやってみるしかない。
だから、その結果を見ても、
「だってテキトーに選んだから仕方ないよね。」 「これじゃチェックにならないよね。」
くらいにしか思えない。
少なくとも、私自身や自社のスタッフは、こう思った。
「
食べたらネット」には、
4000品目以上が、すでに登録されているのだけど、
それでも正直、 「
少ない!」 と感じている。 (品目は、少しずつ増やしている。)
●それでも食事バランスガイドはわかりやすいと思うから
食事バランスガイドの一番の良さは、
食事のバランスが一目でわかる ことだと思う。
もう一つの良さは
何を食べるべきかの行動を起こしやすい こと。
副菜(野菜)が少ないのであれば、 「野菜の多い料理を食べよう」 と、
主菜(肉・魚)が多いのであれば、 「肉・魚を減らそう」 と思うことができる。
細かいことを言われても、わからない。わかっても、行動を起こしにくい。だから、
ある意味、大雑把な食事バランスガイドは、今まで食事に無頓着な人でも、食生活を見直し、行動に移す最初の一歩になるものだと思っている。
そう思うからこそ、もう少し普及してほしいとは思っているけれど、
農林水産省自身が普及の足かせを作っているように感じてならない。
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テーマ:健康管理 - ジャンル:ヘルス・ダイエット